さまざまな人権

災害
自殺
社会的ひきこもり
刑事手続きに関わりをもった人
ホームレス
性同一性障害等
アイヌの人々の人権
その他の人権課題
和歌山県人権施策基本方針(第二次改訂版)はこちら>>(PDFファイル)

災害

  2011(平成23)年3月11日に発生した東日本大震災は、地震や津波の発生により、多くのいのちを奪い、壊滅的な被害をもたらすなど未曾有の大震災となりました。また、福島第一原子力発電所事故により、周辺住民の避難指示が出されるなど、未だに多くの人々が避難生活を余儀なくされています。
  このような中、避難所の運営で高齢者、障害のある人、女性などへの配慮に欠いた事例が報告されており、また、福島第一原子力発電所事故による放射能汚染等の風評被害など、災害時における人権問題が顕在化しました。
  和歌山県においても、同年9月に起きた紀伊半島大水害において、多くの命が失われ、長期間の避難所生活を余儀なくされた方が多数おられました。また、2016年(平成28年)4月14日の熊本大地震においても、甚大な被害が発生し、車中避難など、多くの方が避難生活を余儀なくされています。
  近い将来発生が懸念されている南海トラフ地震においても甚大な被害が起こりうると考えられています。災害時においても人権が十分に尊重されなくてはなりません。

自殺

  自殺者数は、2012(平成24)年に3万人下回ったものの、依然として予断を許さない深刻な状況が続いています。
  このため、和歌山県精神保健福祉センターに設置した和歌山県自殺対策情報センターが核となり、医療、福祉、教育、産業等の関係分野の各団体と相互に連携し、総合的な相談支援体制の確立及び啓発、さらには自死遺族へのケアなど、総合的な対策が進められています。

社会的ひきこもり

  自宅以外での生活の場が長期にわたって失われる「社会的ひきこもり」は、挫折体験・性格傾向・家庭環境等複雑な要因が絡み合って、本人の意思では離脱することが難しいとされており、本人と家族に対する包括的な支援が必要です。
  このため、和歌山県精神保健福祉センターに設置したひきこもり地域支援センター及び保健所による相談支援や啓発活動が行われています。また、「ひきこもり」者社会参加支援センターとして指定した民間団体や、教育、労働等、関係機関と連携し、社会参加支援の充実を図るなど、本人やその家族に対する支援体制の充実が図られています。

刑事手続きに関わりをもった人

被疑者、被告人、受刑者

  被疑者(捜査対象とされてはいるが、まだ起訴されていない者)や被告人(起訴されてはいるが、まだ、その裁判が確定していない者)は裁判により有罪であることが確定するまでは無罪なのです。しかし、刑が確定していない段階で被疑者・被告人を犯罪者のように扱い、本人やその家族の人格を著しく侵害している事例が見受けられます。また、被疑者には不当に身体拘束されない権利や、一定の条件のもとに国選弁護権などが、被告人には国選弁護権や迅速な裁判を受ける権利などが保障されています。
  しかし、被疑者・被告人の諸権利が形式的なものになっているのではないかとの強い指摘もあり、より実質的な権利保障のあり方が議論されています。
受刑者は一定の権利の制限はありますが、人間としての尊厳は当然守られるべきであり、看守による受刑者に対する不当な拘束や暴力は人権侵害の顕著な現れです。

刑を終えて出所した人

  刑を終えて出所した人は、社会の根強い偏見などのため、住宅の確保や就職など基本的な生活基盤を築くことさえ難しく、本人に真摯な更正意欲があったとしても、その社会復帰は難しい状況にあります。刑を終えて出所した本人だけでなく、その家族も社会からの偏見や差別を受けることがあります。刑を終えて出所した本人が真摯に更正し地域社会の一員として生活を営むためには、本人の更正意欲はもちろん、地域社会など周囲の人々の理解と協力が欠かせません。

更生するにはどうしたらいいんだろう?

  犯罪や非行に陥った人が通常の社会生活を送りながら健全な社会の一員として立ち直るための支援制度として、国とボランティアとが力を合わせて指導・援助する「更生保護制度」があります。
  「いったん罪を犯した人も周囲の条件と本人の自覚によって、立派に立ち直ることができる」という人間に対する信頼感に根ざしたこの制度は、民間篤志家(とくしか)の発意によって生まれ、発展した50有余年の歴史があります。現在、保護司のみにとどまらず、BBS(非行に陥った少年の”ともだち”となったり、非行防止活動に取り組む青年ボランティア)、更生保護婦人会や”社会を明るくする運動”の関係者など数多くボランティアとそのネットワークによって支えられています。
  また、和歌山県地域生活地着支援センターを拠点に、高齢者または障害のある人で、刑務所等矯正施設からからの退所者・退所予定者及び被害者・被告人のうち、福祉等支援が必要とされている人の社会復帰支援する取組みがなされています。

ホームレス

  失業や家庭問題等さまざまな要因により、自立の意思がありながら、ホームレスとなることを余儀なくされている人たちがいます。ホームレスの中には衛生状態が悪い、十分な食事をとることができないなど、「憲法」で保障された健康で文化的な生活を送ることができない人もいます。またホームレスと地域社会との間にあつれきが生じたり、ホームレスへの暴力なども発生しています。
  2002(平成14)年には、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が施行されました。同法は、地域社会との協力のもと、職業能力の開発などによる就業機会や安定した居住空間、保健医療の確保などの施策を通して、ホームレスの自立を促進していくことや、ホームレスとなることを防止するための生活上の支援などについて定めています。また、2003(平成15)年には同法に基づき「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」が策定され、2013(平成25)年には、2012(平成24)年に行われたホームレスの実態に関する全国調査等の結果を踏まえ、この基本方針の一部改定が行われたところです。

性同一性障害等

  性同一性障害者は、からだの性とこころの性が一致しないために自分自身に対し強い違和感を持つと同時に、社会の無理解や偏見あるいは日常生活のさまざまな場面で奇異な目で見られることで、強い精神的な負担を受けています。就職をはじめ日常生活の中で、自認する性での社会参加が難しい状況にあるだけでなく、偏見によりいやがらせや侮蔑的な言動をされるなどの問題があります。子どもの場合は、学校生活における制服やトイレ等への配慮が必要となっています。性別適合手術を受けた人については、戸籍上の性別と外観が一致せず本人確認等で問題が生じているため、2004(平成16)年に「性同一性障害者の性別の取扱の特例に関する法律」が施行され、家庭裁判所の審判によって性別の変更が認められることとなりました。また、2008(平成20)年には家庭裁判所による性別変更要件を緩和する同法の一部改正法が施行されました。
  また、同性愛者両性愛者にとっては、少数であるがために正常と思われず、根強い偏見や差別など、性的指向にかかる人権問題も発生してます。

アイヌの人々の人権

  アイヌの人々は現在の北海道を中心に、東北地方、サハリン、千島列島などで、固有の言語や伝統など独自の文化を持って暮らしてきました。近世以降のいわゆる同化政策等により、その文化の十分な保存・伝承が図られているとは言いがたい状況にあります。
  1997(平成9)年5月には「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」が施行されました。また、2007(平成19)年9月に国連で「先住民の権利に関する国連宣言」が採択され、208(平成20)年6月には「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が国会で決定され、初めて、公的にアイヌの人々が先住民であると認められました。

その他の人権課題

  前述したもの以外にも、患者の人権や色が認識しにくいことにより印刷物等が判別しづらい等社会参加の妨げとなっている色覚特性がある人の人権、中国残留孤児やその家族の人権などに関する課題、北朝鮮当局による拉致問題や医療技術の進展に伴う新たな問題発生の懸念もあります。