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情報と人権

プライバシーの保護
インターネット上の人権侵害

プライバシーの保護

  プライバシーの権利は、私生活上の情報を他人にみだりに取得・公表されない権利として理解されてきましたが、近年ではそれらに加え、氏名、生年月日など特定の個人を認識できる情報(個人情報)を保有する者に対し、自らの個人情報の開示や訂正を求める権利(自己情報コントロール権)を含むものと理解されています。プライバシーの権利は国民一人一人に保障されるべき基本的人権の問題であることから、個人情報の保護についても、同様に認識することが重要です。
  近年、高度情報通信社会の急速な進展の中で、企業や行政機関などが保有する個人情報が、大量に流出する事件が相次いで発生してます。
  さらには、住民票の写しや企業が保有する顧客情報等のさまざまな個人情報が不正に取得され、売買されるという事件も発生しています。
  国においては、平成15年(2003年)5月に「個人情報の保護に関する法律」等を制定し、行政機関や企業に対して個人情報の適正な取扱を義務づけています。また、平成19年(2007年)には「住民基本台帳法」等が改正され、住民票の写し等の公布については個人情報保護に留意した制度に再構築されました。

インターネット上の人権侵害

  インターネットの普及により情報の収集・発信の利便性は大きく向上しましたが、反面、匿名性を悪用し、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)(※1)やホームページ、ブログ(※2)、電子掲示板に個人や集団等を誹謗・中傷する表現や差別を助長する表現の掲載等の人権侵害が増加しています。さらに、携帯電話からのインターネット利用者も増え、携帯電話サイトなどで、差別的な内容の書込も後を絶ちません。
  こうした状況を踏まえ、平成14年(2002年)5月には、インターネット上での情報の流通によって権利の侵害があった場合、プロバイダ(※3)等の責任範囲や発信者情報の開示を請求する権利を定めた「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダ責任制限法)」が施行されました。
  また、これにあわせてプロバイダ業界では、削除要請を受けた場合の対応や判断基準等をまとめた「プロバイダ責任制限法名誉毀損・プライバシー関係ガイドライン」を、平成19年(2007年)2月には、発信者情報開示請求の手続きや判断基準等をまとめた「プロバイダ責任制限法発信者情報開示関係ガイドライン」を定めるなどの取り組みも行われています。
  インターネットの利用に際して、利用者一人一人がお互いの人権を尊重することについての理解を深めるとともに、情報の収集・管理・発信における遵守すべき情報モラル(※4)や情報リテラシー(※5)を身につけることが大切です。

 

(※1)SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)
 コミュニティ型の会員制のウェブサイト。既存の会員からの招待がないと会員になれないとう形式をとっているものもあります。会員になると、自由に書き込み等を行うことができるようになります。
(※2)ブログ
 Weblog(ウェブログ)の略。ホームページよりも簡単に個人のページを作成し、公開できる。個人的な日記や個人のニュースサイト等が作成・公開されています。
(※3)プロバイダ
 インターネットに接続するためのサービスを提供する事業者。電話回線や専用線などを通じて、顧客である企業や家庭のコンピューターをインターネットに接続します。
(※4)情報モラル
 「情報社会で適正な活動を行うための基になる考え方と態度」であり、日常生活上のモラルに加えて、コンピューターや情報通信ネットワークなどの情報技術の特性と、情報技術の利用によって文化的・社会的なコミュニケーションの範囲や深度が変化すると育成を踏まえて、適正な活動を行うための考え方と態度が含まれます。
(※5)情報リテラシー
 情報活用能力。体験やメディアを通じて得られる情報の中から必要なものを探し出し、課題に即して組み合わせたり加工したりするなどして、意思決定や結果を表現するための基礎的な知識や技術のことです。

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